クワガタやカブトムシは夏の虫?
クワガタの一生
みなさんはクワガタやカブトムシがどのように一生を過ごすかご存知ですか?
おそらくほとんどの人が、成虫として野外で観察出来る期間、つまり 夏の虫 だと思っているのではないでしょうか。
ところがどっこい、クワガタもカブトムシも幼虫でいる期間のほうがはるかに長いんです!
(セミなどは幼虫期のほうが長いこと、良く知られていますよね)
下の図をご覧下さい。

図1:2年1越型
これが一番スタンダードなクワガタの一生です。
カブトムシの一生
続いてカブトムシの一生もご覧下さい!

図2:1年1化型
こうしてみると、カブトムシもクワガタも
『思っていたよりも長生き?!』
って驚かれる人もいるのでは???
カブトムシもクワガタも完全変態[ かんぜんへんたい ]をする
カブトムシやクワガタは、【完全変態】をしながら成長する昆虫です。
昆虫はどんな種類でも、 成長の途中で数回脱皮[ だっぴ ]を繰り返して最後に成虫となります。
カブトムシやクワガタの場合、これを通常 4回行う ことで成虫へと変化するのです。
※ 脱皮をするタイミングは脱皮の項を参照
クワガタの幼虫期間や越冬[ えっとう ]回数は色々
日本には約40種、亜種[ あしゅ ]まで含めるとその数は80種以上に分類されるクワガタが生息しています。
当然、その種類によって寿命や越冬可能回数にも変化が見られます。
クワガタの寿命のいろいろ
まずは下の図をご覧下さい。

図3:1年1越型
上の図と、先ほど図示した図1とを見比べて下さい。
あれれ???
幼虫期間が ほぼ丸々一年、少なくなって います。
何故でしょう?
これは卵が産まれた時期、それとエサが含んでいる栄養[ えいよう ]の多い・少ないが影響します。
卵の産まれた時期が真夏で、かつ栄養をたくさん含んだエサで育った幼虫の成長は促進[ そくしん ]されて、より大きく、より早く脱皮をするようになります。
もちろん幼虫の成長や脱皮のタイミングを決めるのはそれだけではありません。
けれど大きな要因[ よういん ]であることは事実です。
また、カブトムシと同じように ほぼ一年で卵から成虫まで変態[ へんたい(体の作りや姿を脱皮することで変えること) ]を終えてしまう クワガタもいます。
この変態を完全に終える(つまり成虫になる)までの期間を、幼虫でいた年数と、成虫になってから活動するまでの越冬回数を数えて
- 1年1化・・・幼虫期間が1年以内、羽化[ うか ]して成虫になってからすぐに活動を始めて、休眠期間中に冬を越さない成長の仕方(図2:カブトムシやオニクワガタ、マダラクワガタなど)
- 1年1越・・・幼虫期間が1年以内、羽化[ うか ]して成虫になってから休眠期間中に冬を越して、翌年の夏に活動を始める成長の仕方(図3:飼育下のオオクワガタやヒラタクワガタなど)
- 2年1越・・・幼虫期間が2年以内、羽化[ うか ]して成虫になってから休眠期間中に冬を越して、翌年の夏に活動を始める成長の仕方(図1:自然下のオオクワガタや飼育下のミヤマクワガタなど)
また、上記の他にも種類や環境によって、2年1化、3年1化など、先ほどの法則にしたがって各成長の仕方を表現します。
クワガタ成虫の越冬[ えっとう ]
次にクワガタが成虫になってからの越冬ですが、野外活動前の越冬と、野外活動後の越冬では呼び方が違います。
先ほどから図に書かれているように、活動前の越冬は 休眠[ きゅうみん ] と呼ばれます。
で、ここからが本題ですが、国内に生息するクワガタの場合、自然下ではほとんどのクワガタが休眠するものの、越冬する種類は学名[ がくめい ]が Dorcus属(ドルクスぞく)の種類に限られます。
具体的にはオオクワガタ、コクワガタ、ヒラタクワガタなどがDorcus属です。
※ 国産クワガタ 学名系統樹のページ 参照
カブトムシの成虫の越冬[ えっとう ]
残念ですが、国産のカブトムシは越冬することが出来ません。
(飼育下では、涼しくなってからも暖かい場所で飼育してあげると、翌年のお正月過ぎまで活動し続けさせることは、上手に飼育してあげれば可能です)
各クワガタが成虫になってから何回越冬出来るかは、次の寿命の項で説明します。
クワガタ・カブトムシの寿命[ じゅみょう ]
ここで取り上げる寿命とは、成虫として野外活動を始めてから死んでしまうまでの期間を指します。
幼虫期間を含めた全体の期間ではありません ので、どうかお間違いなきよう・・・m(_ _)m
カブトムシや自然下のクワガタの多くは、野外活動を行った年の晩夏から秋にかけて死んでしまいます。
先ほど『越冬が出来る』種類として挙げたDorcus属のクワガタも、秋口に越冬態勢に入りますが、その多くは冬の間に死んでしまい、翌年の夏にまた活動出来る個体は極わずかです。
しかし人間に飼育されている個体は、自然下の個体よりももっと長生きします。
飼育環境下で一番長生きな国産種は間違いなくオオクワガタです。
普通に飼育していても2、3年は活動する個体の姿を楽しむことが出来ます。
これに次いで長生きなのが、コクワガタやヒラタクワガタ、アカアシクワガタなど。
活動を始めて2年目の冬を迎えるときに越冬態勢に入るものの、その冬の間には死んでしまうことが多いでしょう。
成虫としての活動期間は1年半から2年くらいでしょうか。
対照的にカブトムシや国産クワガタのDorcus属以外の小型種(ネブトクワガタやオニクワガタ、ルリクワガタなど)、マルバネクワガタ類などは、体の構造自体が越冬出来るつくりになっていないため、どう頑張っても1年以上活動させることはむずかしいでしょう。
カブトムシやマルバネクワガタ類で2ヶ月から5ヶ月、小型クワガタ類は約1ヶ月から1.5ヶ月くらいとなります。
ですが 飼育されているカブトムシ・クワガタの寿命は、飼育条件(エサの多少や質、環境温度や湿度など)によって大きく変わって きます。
上手に飼育してあげれば、もっと長生きするものもたくさん出てきますよ♪ ♪ ♪
国産クワガタ 成虫の寿命の目安 一覧表 |
| 種名 | 属名 | 寿命 ※1 | 冬眠 ※2 |
| 野外個体 | 飼育個体 |
オオクワガタ | Dorcus | 2-3年 | 3-7年 | ○ |
コクワガタ | Dorcus | 1-1.5年 | 2-5年 | ○ |
ヒラタクワガタ | Dorcus | 1.5-2年 | 2-5年 | ○ |
ヒメオオクワガタ | Dorcus | 1-1.5年 | 1.5-2.5年 | ○ |
アカアシクワガタ | Dorcus | 1-1.5年 | 1.5-2.5年 | ○ |
スジクワガタ | Dorcus | 1-1.5年 | 1.5-2年 | ○ |
ノコギリクワガタ | Prosopocoilus | 3ヶ月 | 8ヶ月 | × |
ミヤマクワガタ | Lucanus | 3ヶ月 | 8ヶ月 | × |
ネブトクワガタ | Aegus | 3ヶ月 | 7ヶ月 | × |
オニクワガタ | Prismognathus | 1ヶ月 | 3ヶ月 | × |
マルバネクワガタ | Neolucanus | 2ヶ月 | 5ヶ月 | × |
ルリクワガタ | Platycerus | 1ヶ月 | 1.5ヶ月 | × |
| ※1 | ここで記す寿命期間は、羽化して休眠から覚めた個体が野外で活動を開始し始めたときを始まりとし、死んでしまうまでの期間を言います。 |
| ※2 | ここで記す冬眠の可否は、羽化後野外活動を始めるまでの休眠は除き、野外での活動を開始してから寿命が尽きるまでに冬眠が出来るか出来ないかを言います。 |
|
以下の本が非常にためになるので、是非一度読まれることをおススメします!
|